対自覚

このインスタレーションは「自己を見つめる」という体験をコンセプトに光とレイヤーを用いて空間での再現を試みたものです。

自らに問いかけ内省していくうちにあふれてきた言葉・記憶・感情など、その実態を深く掘り下げ再確認することで自身に知らない自分をみつけるかもしれません。

「自己を見つめる」という言葉自体は多々耳にしますが、実際のところ自分の何とどう向き合うのか、物理的でなく精神的な階層の話であるために掴みどころがなく難しく感じるものです。

鏡とは物理的に自分と向き合うことができるものですが、鏡の前に立ったからといって向こう側の自分が勝手に何かを教えてくれるものではありません。無意識にでも何かを探して目を向けた時に何かしらの情報を得るのだと思います。

それを精神上に置き換えると脳裏によぎった言葉・記憶・感情をありのままの姿と捉え、自分に忖度なく受け入れるところから始まり。見えていない自分の存在があると仮定して、目を見開いて探してみることで鏡以上に
純度の高い自分に出会えるかもしれません。

私たちは見たものをそのときどきの見方次第で自分の見たいように捉えることができ、各々がその世界の中で生きているようです。したがって、日々に起こる感情や自分が紡ぐ言葉の中に自己(世界)の本質が隠されているのではないでしょうか?

周りに広がる“現実”という鏡から反射して心に映しだされた自分に何を見ますか?

自核に何を秘めているのか。自分が知っている以上の自分を探し続けていきたいものです。

その中で得た気づきが明日の光になることを願って。

サイズ

H2250mm*W5300mm*D4400mm

画材

オーガンジー ミクストメディア

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